気象ゼミごっこ

気象予報士試験に向けて、大学のゼミみたいに勉強するブログ

大規模な大気の運動②温度風

前回大気の大循環の話をして、一気に一般の内容をまとめたい!という気持ちが高まってきていますので、この勢いでまとめていきたいと思います。

ブログの読者対象というのがブレブレな気もしますが、寝ぼけている自分が理解できるくらいの簡単な言葉で説明するのが目標です笑

ひとまず気象の基礎を(それがどこまでなのか、微妙なところですが)一通りご紹介して、それからはランダムに学んだことをアウトプットできればいいな、と思っています。

 

 

前回のおさらい

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赤道付近では熱が余っていて、極付近では熱が不足しています。

その熱の偏りを解消する働きをしている3つの循環について紹介しました。

ハドレー循環

赤道付近では太陽高度が高いためよく熱せられ、地上付近は相対的に低気圧になる。すると南北から風が収束し上昇、上空で南北へ発散する。

このように直接大気が南北に移動し熱の輸送を行う循環を直接循環という。

フェレル循環

地球は自転しており、高緯度ほどコリオリの力が大きく働いて風の向きが変わる。そのため、ハドレー循環だけで赤道付近の風が極側へ送られることはなく、赤道上空からやってきた空気は緯度25〜30度付近で高緯度側へ進めなくなる。そこで風は収束し下降、地上で高気圧となる。そこで南北に風が発散する。緯度60度付近で高緯度側からの風と低緯度からの風がぶつかり上昇する。

極循環

極付近では大気が冷やされ高気圧となり、下層の冷たい空気が低緯度側に移動する。上空では暖気が極へと向かう循環をしている。

 

ジェット気流

亜熱帯ジェット気流

ハドレー循環とフェレル循環の境では上空ほど西風が強くなっており、この風速の極大域を亜熱帯ジェット気流という。地球が自転しており球形であることにより、また角運動量が保存されることが亜熱帯ジェット気流の要因である。

寒帯前線ジェット気流

寒帯前線ジェット気流は、上空から下層まで延びる寒帯前線の移動に対応している。

寒帯前線ジェット気流は亜熱帯ジェット気流に比べ蛇行が激しい。夏よりも冬に赤道付近に近く、風速も大きい。出現高度は冬の方が低い。

 

以上のようなことをお話ししました。

 

今回は偏西風の話から温度風の説明をしたいと思います。

偏西風

亜熱帯高圧帯から高緯度にかけて吹く地上の風はコリオリ の力によって曲げられ、西風になっています。そしてこの地帯では上空ほど西風が強くなっています。

これは南北の温度差があるため、上空ほど風が強くなっているのです。

温度風

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地衡風の鉛直シア(これを温度風という)から、その層内の気温傾度や温度移流がわかるんですね。

 

整理すると、

♣︎温度風は等温線と平行

♣︎温度風は低温側を左手に見るように

♣︎風向が高度とともに時計回りしているとき、暖気移流、反時計回りなら寒気移流

以上のようになります。

 

↓わかりやすさのために、北側を低温に南側を高温にしました。

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気象庁のホームページには、全国33箇所に設置されたウィンドプロファイラで観測した風の情報が載っています。

気象庁 | ウィンドプロファイラ(上空の風)

 

ここで風向風速のシアを確認することができ、気温の予想をするためのヒントになっています。

 

 

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 今回は短いですが、こんなところで。

温度風という概念を理解するのはなかなか難しいです。

私は大気の大循環の話を先にたっぷりしないと、温度風について語れないと思いました。(ちょっと今回は言葉足らずなんで、加筆するかもしれません)

次回も中緯度の熱輸送の話から出発して今度は温帯低気圧についてお話しようかなと思います。せっかく前回ロスビー波を登場させたので、ブロッキング現象やエルニーニョラニーニャ)の話に飛んでもいいかなあと思っています。

お話しの順番を考えるのは楽しくもあり、難しいところでもあります。

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