気象ゼミごっこ

気象予報士試験に向けて、大学のゼミみたいに勉強するブログ

大気の熱力学④エマグラム

週末は大体勉強カフェで勉強しているのですが、今日は台風が接近していることもあってお家でまったり勉強〜♪

 

※勉強カフェとは

大人のための自習室です。いつもお世話になっています☕️

www.benkyo-cafe.net

 

今回は、気象で扱う物理量をグラフで示していきます。

 

■前回のおさらい

①熱力学第一法則とは

エネルギーとは仕事に変換できるもの。外部からエネルギーが与えられると、それを仕事に変換する。その残りが内部エネルギー。内部エネルギーは温度だけに依存する。

②乾燥断熱過程と湿潤断熱過程

熱力学第一法則や静力学平衡の式、状態方程式を用いて、

・乾燥断熱減率

・温位

・湿潤断熱減率

・相当温位

を導出した。

③大気の水分を表す物理量

・相対湿度

・混合比

・比湿

・露点温度

を紹介した。

 

今回はこれらをエマグラムという図にしていきます。

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↑らくらく突破 気象予報士 かんたん合格テキスト 学科一般 P148より

 

天気の解析に使うグラフです。

横軸が気温、縦軸が高度の代わりに気圧の自然対数をとってあります。

 

あらかじめ、

▼乾燥断熱線

▼湿潤断熱線

▼等飽和混合比線

が書かれてあります。

 

混合比とは、このような物理量でした。

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飽和混合比は、このようになります。

y=ax+bという関数をy-xグラフに描くのは簡単ですよね。

エマグラムはそのようなグラフとはちょっと違います。

エマグラムは、縦軸も横軸もパラメーターになっていて、点で結果を表しています。(こういうグラフを散布図とか分布図と言います)

ここが難しいポイントだと思います。

 

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飽和とは、相対湿度が100%になる状態のことであり、そのときの温度が露点温度です。ですから、等飽和混合比線は、気圧変化に対応した露点温度であると解釈できます。同じ気温であれば、気圧が低いほど露点温度は高いということです。

 

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 ある地点ある高度における空気塊に関して、気温と気圧がわかっていれば、エマグラムを使うことにより、

▼温位

▼露点温度

▼相当温位

▼湿球温位

がわかります。

 

エマグラムを使って、空気塊の気温減率と安定性について考えてみます。

安定性については、こちらを参考に↓

対流の起こりにくさ=安定度です。

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少し持ち上げた空気塊がさらに上昇しようとするとき→不安定

              下降しようとするとき→安定

 

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空気塊だけでなくて、周りの空気も大気層が変化する場合、どうなるでしょうか。

 

条件付不安定であるが飽和していない大気中の空気塊を考えます。

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 対流の起こりやすさを示す指標としてCAPE(Convective Available Potential Energt)があります。↑の水色で塗った面積がそれです。この面積が大きいほど対流は活発になりやすいと言えます。