気象ゼミごっこ

気象予報士試験に向けて、大学のゼミみたいに勉強するブログ

気象解析と機械学習①

気象庁では、アメダスとか気象レーダーで温度や気圧などの気象要素を観測して、それを元に未来の天気を予想しています。

一言で言ってしまえば、物理法則に基づいて時間変化を数値的に計算しています。

ここで使われている技術や手法が試験のための参考書でも書かれているのですが、もう少し汎用的に、一般的なデータ解析の話から勉強していきたいと思います。

 

 

 

最近は機械学習の第3次ブームということで、データ解析とか統計の分野が結構盛り上がっていますが、機械学習ディープラーニングは50年以上前から研究されてきたことで、数値予報は1959年から気象庁で採用されているそうです。

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/whitep/1-3-1.html

 

現在のブームで「AIが仕事を奪う」とか「未来は何でもAIで解決できちゃう」とか言うときのAIというのはほとんど深層学習(Deep Learning)を指していて、AI(Artificial Intelligence)はもっと広義に、人間が行う知的活動をコンピューターに代わりにやってもらおうというものです。機会学習はその中でもデータの解析を自動でコンピューターにやってもらおうというものです。

データ解析の手法の1つにニューラルネットワークというのがあり、これは人間の神経系をお手本にしたモデルで、これを多層に発展させたものが深層学習です。

研究されていたけれど実践が追いついていなかった深層学習ですが、コンピューターの性能が上がったことで実装可能になり、第三次AIブームということで盛り上がっています。

 

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数値的に解くってどういうこと?

数式の解き方には大きく分けて2つあります。

①解析的解法

式変形によって答えを出す

②数値的解法

具体的な値を代入することにより答えを出す

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解析的に(代数的に)簡単に解ける例を出してみましたが、気象予報に使われる方程式は解析的に解くのが難しい偏微分方程式なので、スーパーコンピュータで数値的に計算しています。

 

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 ※研修テキストより

気象庁ではコンピューターが数値計算をして、それをガイダンスという私たちが気象情報を受け取る上でわかりやすい資料を提供していますが、その翻訳・修正のプロセスで機械学習の手法が使われています。

 

天気予報のガイダンスができるまで

長くなるので今回は最初のほうだけお話したいと思います。

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 ※気象庁HPより

スーパーコンピューターで数値的に計算するために

まずは、コンピューターで扱いやすくするために、地球の大気を格子で区切り、格子上にそれぞれ気象要素を初期値として設定します。

このプロセスは、大気という連続的なものを離散化するということです。

 

 この辺の話は以前も少ししました。

 

meteorolo.hatenablog.com

 

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アメダスや気象レーダーでは、気温や気圧など気象要素を観測していますが、観測点は空間的にも時間的にもまだらで、例えば海上では観測点が少なかったりします。

気塊の運動を考えるとき、気塊をラベリングして質点のようにみなして追っていく方法(ラグランジュ的方法)は、気団の移動を考える際には有用ですが、多くの気塊を常に識別して調べることはとても大変です。

そこで、各空間の固定点での物理変数の偏微分的時間変化を計算していく方法(オイラー的方法)が流体を考える上で実用的だと考えられます。

このような考えから、まずは規則的に配列された格子を作り、観測データに基づいて、ノイズをキャンセルしたり重み付けをして、各格子に固定のデータ(初期値)を作ります。物理法則にこの初期値を入れて時間積分すると各格子の予報値が求められるので、それを使って天気予報をしよう!というのがざっくりとした数値予報の考えです。

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 空間を離散化するには①格子点法(差分法)②スペクトル法の2つの手法があります。

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MSMは格子点法で、GSMはスペクトル法で離散化されています。 

①格子点法

これは微分方程式微分を差分商に置き換えて近似したもの。メッシュを考えている。

②スペクトル法

フーリエ変換によって、いくつかの波の重ね合わせで状態を表現する。GSMでは格子点法だと両極付近で格子点が集中してしまうので、スペクトル法が用いられる。

※この辺はちょっと複雑な話なので、ざっくりとこんなところで次にいきましょう!

 

時間方向の離散化と計算の安定条件

空間の離散化により時間変化率が求められたので、時間も離散化します。

時間積分の刻み間隔(時間積分間隔)も空間同様、小さい方がより精度良くなりますが、その分計算に時間がかかります。そして積分間隔を大きくしすぎると、精度が良くないというだけでなくて、数値的安定性が保てなくなります。(CFL条件)

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ここまでが数値予報モデルで気象予報をするための下ごしらえみたいなお話です。次回数値予報モデルに実際に観測データを入れていく、ということからお話していきたいと思います。

最近は気象ビジネス推進コンソーシアム という気象のデータをお天気の予想だけではなくてビジネスにも使おうという動きがあり、数値予報で使われているようなデータ解析の技術を気象に関わる人がわかっていると得すると思っています。

https://www.youtube.com/channel/UCyYJhGTAcpLeRnWoQxFbovw

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

社会人の勉強場所やアイテムなど #大人の勉強垢

今回は番外編として勉強について語りたいと思います。

勉強場所や勉強方法について最近考えたことを発表します!

 

 

 

 

とにかく勉強し始める

作業興奮という言葉があるように、勉強も始めるまでは億劫に感じても意外とやってみると没頭できたりしますよね。でも家ではなかなかスイッチが入りにくいので、私は香りと音でスムーズに勉強モードに入れるようにしてみました!

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無印の柑橘系のアロマオイルをアロマディッシュという木でできた器に垂らして机に置いています。

この香りを嗅ぐと勉強!というように自然となってきています。

*無印のひといき(break time)というブレンドなのですが、私にとっては勉強ブレンドになっています

 

そして森とか川などの自然音を流しています🌲

私はipadやpcからBluetoothのスピーカーに飛ばしていて、ちょっと離れたところにスピーカーを置くことでより自然に、自然音を流しています。

 

↑これのイエローを使っていますが、お風呂にも持っていけて良い感じです。 

 

さらに、私は光も調節しています。

私の家のライトは明るさや色調が変えられるので、しゃきっと勉強したいときはブルーライトで明るく、寝る前にリラックスしながら勉強したいときは暖かみのある暗い光にしています。

 

休憩はストレッチポール

最近ジムに行けていなくて、お金がもったいないのでやめました。

そのかわりにジムでとくに気に入ったアイテム、ストレッチポールを買いました!

 

LPN ストレッチポール(R)EX ネイビー 0001
 

 

これが家にあるのは本当に最高です。疲れがとれるし、あまり長い時間はこの上にいることができないので休憩が長引かず、ちょうど良いのです。以前は勉強して眠くなったら普通にベッドで寝ていて、そのまま大体寝てしまっていましたが、これなら眠ってしまうこともないので助かっています。

 

勉強場所は意外とある

平日は基本家で勉強していて、頑張っても1時間くらいですが、休日は5時間くらいすることもあります。だいたい2時間くらい同じところにいると集中できなくなるので、午前中はファミレス、午後はカフェというように場所を変えます。カフェの開拓ってなかなか楽しいですよね。私は近所になぜかほとんどのお客さんがpcで作業したり勉強しているというカフェがあり、(おしゃべりしている人もいて雑音がちょうど良い👍)友達と集まって勉強しながら、たまにおしゃべりしています。

ファミレスは意外と日曜でも午前中は空いているので、朝ごはんを注文してから勉強しています。

 

勉強仲間がいる幸せ

勉強カフェで勉強仲間ができたり、昔からの友人が勉強仲間になったり、SNSで気象仲間ができたり…とあまり孤独を感じずに勉強することができています。SNSでは、気象予報士の勉強をしている人やすでに気象予報士になった人、空の写真を上げてくれる皆様と繋がれるのでとても楽しいです!

※勉強カフェ

https://www.benkyo-cafe.net/

 

 

残念ながら勉強の記録をとることはできていない

日記とか続かないタイプで、↓こんなものを作っていましたが、数日しか続きませんでした。笑

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 たまに勉強計画や勉強報告をTwitterでしています笑

 

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最近は過去問を解くばかりなので、気分転換にグッズなど紹介してみました。

また何か楽しい勉強法など見つけたら報告いたします!

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湿気をどう表現するか?水蒸気フラックスと相当温位の話 

これまでは順序立てて気象のお話をしてきましたが、流れを気にしすぎてなかなか投稿できないので(笑)、これからは気まぐれに小ネタを投稿していきたいと思います。

 

空気中の水蒸気を表す物理量として、混合比や比湿という量があります。

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 ↓気象の基礎です。

meteorolo.hatenablog.com

 

質量保存則から派生した連続の式というのがありまして、これで3次元的に風を考えることができました。

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meteorolo.hatenablog.com

 

これと同じような感じで、水蒸気の動きを考えてみたいと思います。

 

水蒸気フラックスとは・・・?

水蒸気比湿の変化を(x,y,p)座標系で表すと、このようになります。

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移流とフラックスはこのような違いがあります。

温度移流もそうですが、移流といえば空気の流入先が出発点と相対的にどのような場か?を表すものに、その流入の速さを掛け合わせたものです。

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一方で水蒸気フラックスは絶対的な水蒸気の量に速度をかけたものです。

ここで前線の話を…

前線は密度の異なる気団の境界というように定義されています。(天気図では前線帯の南側を前線として解析する)

梅雨前線は温度傾度が小さい場合があり、水蒸気量の不連続線も参考に前線を解析します。そこでこの水蒸気フラックスが解析に有効な情報となっています。


相当温位とは?

水蒸気集中帯としての梅雨前線を考えるとき、相当温位の値に注目することも有効です。相当温位は、気塊に含まれる水蒸気が凝結しても保存されるからです。



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 ↓熱力学の第一法則から相当温位の話をしています

meteorolo.hatenablog.com

 

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先ほどこんなtweetをしていましたが、

相当温位はこのように近似でき、逆に相当温位の値と気温と温位がわかれば水蒸気の量を推定することが可能なんですね〜。

 

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以上、最近勉強したことを発表してみました。

これからも小ネタを小出しにしていきたいと思います。

ここ数日はちょっと雑念というか将来のことを考えて気象の勉強が手につきませんでした。

本来は気象とか物理とか好きなんですけど、新卒で就職するときに理系を捨ててしまい、今更後悔しています。(というか就活に失敗したんですけどね(・_・;)

気象予報士の資格をとったところで、もう20代後半だし、キャスターになりたいわけでもないし、どうしよう…とか色々と考えてしまいます。

でもやっぱり自然現象に興味があるということと、私は基本的に怠惰なんで面倒なことや混沌としたところにも法則性を見つけて効率化したいと思うんです。

そういう特性ってプラスに評価される場面もマイナスに評価される場面もあると思うのですが、今いる環境ではあまりプラスに働かないというか、頭を使うことよりとにかく手を動かすこと(あとやる気?)の方が評価されるところにいるので、もうちょっと頑張って楽しく生活できるような環境に身をおきたいなと思っています。

 

 

 

 

 





 

温帯低気圧のライフサイクル

お久しぶりになってしまいました。

最近は、たっぷり時間をかけて実技の問題を解いています。

切ったり貼ったりしてノートにまとめています。

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ノートを作るとどうしても作業になってしまうので最初だけにしようかな〜と思っていますが、一旦復習しやすいように資料とそれに対応する問題文と答えをまとめています。(この小さな付箋がお気に入り♪)

 

さて、流れが途切れてしまっていましたが、気象のお話を…

 

 

 

meteorolo.hatenablog.com

 

51回の試験前にはこんな話をしていたんですね。

簡単なおさらいしますと…

おさらい

地球が球形であるため、高緯度側で熱が不足して低緯度側で熱が余ってしまいます。それを自然と均一化(年平均温度が各緯度で変わらないように)するシステムが備わっています。

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日本の端と端で考えるとわかりやすいですが、中緯度では特に冬になると、南北水平温度傾度が大きくなります。

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そのため上層ほど西よりの風が卓越しています。(偏西風帯)

水平温度傾度が大きいと、等圧面と等温面が一致しない状態(傾圧大気)になり、傾圧性がある程度大きくなると、偏西風が蛇行します。

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このように偏西風波動が生じると、下層では低気圧性循環が明瞭になり、温帯低気圧が発生します。

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このような話をしました。

今回は、温帯低気圧の発達について考えていきたいと思います。

このトピックに関しては、気象庁の量的予報技術資料(予報技術研修テキスト)に詳しく載っています。

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/yohkens/yohkens.html

 

温帯低気圧のライフサイクル

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気象庁 平成29年予報技術資料テキストより

 

低気圧のステージを①発生期②発達期③最盛期④衰弱期として説明されています。

 ①発生期(発生〜発達初期)

・上空の気圧の谷の接近で低気圧が発生

・気圧の谷の接近により衛星画像ではバルジが見られる

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②発達期

・上空の気圧の深まりとともに低気圧性の渦が強まり、地上では温度移流が強まり前線強化

・衛星画像ではバルジがさらに明瞭化し、寒気の流入により低気圧の中心付近にフックパターン形成される

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③最盛期

・上空の気圧の谷が地上低気圧の中心のすぐ西側まで接近し、寒冷前線温暖前線に追いつき、閉塞前線が形成される

・衛星画像ではドライスロットが低気圧の中心付近まで入り込み、ドライスロット流入点とバルジ北縁に閉塞点が形成される

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④衰弱期

・上空の気圧の谷が低気圧の中心のほぼ真上に位置し、低気圧が上層の流れから切り離される

・その後、地上の低気圧は閉塞前線が低気圧の中心から離れて不明瞭化し、低気圧の渦だけが残る

・衛星画像では温度移流が弱まり、低気圧の中心付近で雲頂高度が低下して背の低い雲渦が形成される

 

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以上がベルゲン学派のモデルを基にした低気圧のライフステージです。

(※掲載している衛星可視画像は平成30年予報技術資料テキストより)

気象庁ではこれを基にして低気圧や前線の解析を行なっているんだそうです。

(他の概念モデルも取り入れて解析を行う場合もあるとのこと)

 

低気圧が発達するかどうか?

低気圧が発達するかどうかはお天気を予測する上で特に気になることですよね。

天気図や衛星画像を見て時間的にも追っていくと、この低気圧が今どの段階にあるのか?あるいはライフサイクルのパターンに当てはめて良いものか?などわかります。

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発達する低気圧の特徴として、このようなところに注目します。

・上層の気圧の谷が地上低気圧の西にある(渦軸が西に傾いている)

・低気圧の進行方向全面で暖気が上昇していて、後面で寒気が下降している

・低気圧の前面で暖気移流、後面で寒気移流が卓越している

 

 

天気図を見て3次元的に考える必要がありますが、連続の式や渦度と発散(収束)の関係を理解できていれば大丈夫そうです。

 

meteorolo.hatenablog.com

 

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今回は資料の横流しみたいになってしまいましたが、

低気圧のライフサイクルを紹介してみました。

実技の勉強は実況天気図や数値予報天気図などから情報を読み取るということが求められていて、ちょっと理系っぽくない感じです。

実技の解答や短期予報解説資料で一旦フレーズをストックして、上手い言い方ができるようにしたいと思います。

 

 

 

 

 

第51回気象予報士試験 学科専門分野 復習③

今回は、第51回気象予報士試験 学科専門分野 復習シリーズを完結させたいと思います!

 

meteorolo.hatenablog.com

meteorolo.hatenablog.com

 

 

 

問11 台風の高潮、高波について

まず高潮とは、台風や低気圧の通過によって海面が上昇することです。その成因としては①気圧の低下により海面が持ち上がる「吸い上げ効果」と②強風によって海水が吹き寄せられて海岸付近の海面が上昇する「吹き寄せ効果」があります。

 

(a) 吸い上げ効果

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問題文の通りです。台風は気圧低下が大きくても100hPaくらいで、吸い上げ効果による海面の上昇は100cmといったところです。台風が接近するとき、高潮は2mを超えることもありますので、1mを超える高潮については強風によって海面が上昇する吹き寄せ効果が大きく作用していると考えられます。

 

(b)吹き寄せ効果

風の応力が海面を上昇させることですね。

この2乗というのを式で示したいんですけど、流体力学に弱いので動画のリンクを貼っておきます😹

http://yobinori.jp/video/fluid-mechanics.html

風の応力が風速の2乗の次元を持つので、吹き寄せ効果による海面の上昇は風速の2乗に比例します。

 

(c)高潮災害に対する警戒が特に必要なところ

 

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 台風による高潮の被害が特に大きかった出来事として、伊勢湾台風があります。

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Google Map キャプチャ

 

伊勢湾は南に開くようなV字型の湾で、特に注意が必要な地域なんですね。

 

(d)うねりについて

海上に風が吹くことにより直接生じる波を風浪といって、不規則で尖った白波が立ちます。この風浪が遠方に伝わったものをうねりといって、波長が長くて減衰しにくいので、台風が去ったあとでも警戒が必要です。

 

問12 予報制度の評価

問題文から検証結果のどこに注目したらいいのか? 

A:”「雷なし」と予報しておいて、実際に雷がある”という場合が特に困るので、雷の見逃し率が低いものも選ぶと良いです。

B:冬の関東平野部は乾燥していて晴天という傾向があるため、降水の敵中率を評価するのにはスレットスコアが有効です。

C:降水確率予報はブライアスコアで値の小さい方が精度が良いです。

D:平均誤差ではマイナスの誤差とプラスの誤差が相殺されるので、2乗平均平方誤差に注目すると良いです。

 

問13 大雨特別警報について

▼大雨特別警報に関しては、気象庁のこちらの資料を参考に

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/sanko/shihyou.pdf

 

気象庁のホームページはこちら

www.jma.go.jp

 

 大雨特別警報の基準は、

”台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想され、

若しくは、

数十年に一度の強雨の台風や同程度の温帯低気圧により大雨になると予想される場合”

と規定されています。

 

この基準の指標として、

①48時間降水量及び土壌雨量指数において、50年に一度の値以上となった5km格子が、共に50格子以上まとまって出現

②3時間降水量及び土壌雨量指数において、50年に一度の値以上になった5km格子が、共に10格子以上まとまって出現(ただし、3時間降水量が150mm以上となった格子のみをカウント対象とする)。

①または②いずれかを満たすと予想され、かつ、さらに雨が降り続くと予想される場合に大雨特別警報が発表されます。

 

*50年に一度の値

平成3年以降の観測データから50年に一回程度の頻度で発生すると推定される降水量及び土壌雨量指数の値で、過去50年の間に実際に観測された値の最大値というわけではない。日本全国を5km四方に区切った領域ごとに算出している。

 

*土壌雨量指数

・土壌中に溜まっている雨水の量を示す

・5km四方で算出

・浅い地表付近のみ

・この値で一律に危険性は等しくならない

・3つの層に分類し、タンクモデルを算出➡︎合計したものを土壌雨量指数へ

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気象庁ホームページより

 

(a)大雨特別警報の指標

問題文の通りです。降水量(48時間降水量と3時間降水量)と土壌雨量指数が指標となっています。

(b)大雨特別警報の指標

50年に1度の値以上となる5km格子が”1格子でも出現した場合”というところが×です。

(c)大雨特別警報は市町村単位で発表されます。

 

問14 大雨や洪水の警報・注意報について

 

(a)

警報・注意報の基準は地域によって変わります。

大河川への水の排出が困難な地域では、洪水警報・注意報が発表される基準が低くなります。

(b)

強い地震や火山噴火が起こった場合、必要とあれば暫定的に大雨や洪水の警報・注意報の基準が下げられます。

(c) 

積雪地帯の気温が10℃以上にになると、雪融けが顕著に進み、融けた雪が河川に注がれ洪水の危険性が高まります。このような融雪洪水も洪水注意報の対象です。

気象庁|気象警報・注意報の種類

気象庁ホームページ

 

問15 3ヶ月予報

1ヶ月以上の予報(季節予報)では、気温、降水量などを「低い」「平年並」「高い(多い)」の3つの階級にわけて確率で表現します。

気象庁 | 3つの階級について

過去30年間の期間(1981〜2010年)の出現率を等分に3つの階級に分けていています。

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気象庁ホームページより

 

(a)表Aを見ると、気温が高いとなる可能性は、西日本も東日本も40%なので、”西日本のほうが東日本よりも大きい”は×

 

(b)表Bを見ると、

平年差の範囲は、

沖縄・奄美 -0.1℃~+0.2℃

西日本   -0.1℃~+0.5℃

 

表Aを見ると、

平均気温の階級が高いになる可能性は

沖縄・奄美 50%

西日本   40%

なので、沖縄・奄美の気温が平年差+0.2℃を上回る可能性は50%であるとわかります。

一方で西日本に関しては気温が平年差+0.5℃を上回る可能性が40%なので、気温が平年差+0.2℃を上回る可能性をこの2つの地域で比べることはできず、”沖縄・奄美のほうが西日本よりも大きい”は×です。

 

(c)3つの階級の決め方を考えると、これは×です。

極端な高温の年があったとしても、平年並の範囲には影響しません。

上の図を見ると納得です!

 

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以上、ざっと(といっても長くなりましたが)学科専門の復習をしてみました。

あと1問でおそらく合格していたので、次回は必ず合格したいと思います。

解いた過去問を数えてみると、3年分しか解いていなかったことがわかりました。笑

次回は、専門も実技ももっと過去問を解いて、確実に合格できるよう準備していきたいと思います!!

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第51回気象予報士試験 学科専門分野 復習②

 


前回に引き続き、第51回気象予報士試験 専門分野を復習していきます。

 

meteorolo.hatenablog.com

問題は気象業務センターのホームページに載っています↓

気象予報士試験

 

 

第51回の専門分野では雷についての問題が2問も出ていましたが、2問とも正解していました!

というのも、前日福岡では雷が鳴っていたんですよね…

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気象庁ホームページより 過去の気象データ

気象庁|過去の気象データ検索

 

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▼ご親切に、過去の気象データ検索のところに天気の記号も載っていました。

www.data.jma.go.jp

 

今回は雷の2問を含む問6〜問10を復習していきます。


 

問6 衛星画像を見比べる

3月のある日の15時の気象について、赤外画像と可視画像を見てわかることを答えよ、というものです。

この問題も下線部の正誤について問われているので、下線部以外の文章と衛星画像2枚を手がかりに問題を解いていきます。文章中には、数時間前からの動画に基づいて衛星写真の説明がなされています。

▼この問題はちょっとキャプチャ載せたいと思います。

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(a) 

Aの部分を画像を見てみると、可視画像では明るく写っていますが、赤外画像ではほとんど周囲と同じ明るさです。問題文では、”輝度は変化するが位置と形状の変化が見られない”と書かれています。

これらに加え、地理的なことを考えるとおそらくこれは雪氷域ではないかと思います。

 

(b)これはもう問題文だけで×です。

可視画像で輪郭がはっきりしていてまだら状なら、霧や層雲ではないでしょう。

画像や問題文中の”ほとんど移動しておらず”という記述、時期から考えると、おそらくBオホーツク海の海氷だと思います。

 

(c)これは正解です。

赤外画像で明るく(白く)写っていることから、輝度温度が低く雲頂高度が高いということがわかります。また、可視画像では赤外よりも暗く写っており、太陽が透ける薄い雲であることがわかります。

 

(d)Dは画像と説明が全然合っていないので×ですね。

まず、可視画像で明るく写っているので薄い雲ではないでしょう。

ジェット気流の方向に直交するように波状になっていることから、トランスバースラインだと思います。

気象衛星センター | トランスバースライン

 

 

問7 日本周辺の高気圧

(a)これは○ですね。

太平洋高気圧は亜熱帯高圧帯で発生する高気圧であり、亜熱帯高圧帯というのは地球全体で考えると、ハドレー循環の下降域に当たります。

太平洋高気圧は、強制的に空気が送り込まれてくるので背が高く、断熱圧縮により地表付近では高温で湿潤な性質を持ちます。

 

meteorolo.hatenablog.com

 

(b)オホーツク海高気圧

オホーツク海高気圧の低温で湿潤な層というのは、地表付近のわずか500mの厚さにしか過ぎないそうです。

京都大学 防災研究所 ホームページより

https://www.dpac.dpri.kyoto-u.ac.jp/mukou/meeting/cd-rom/03/Report/nakamura.pdf

その上空には暖かいブロッキング高気圧があります。

この辺も、ちょっと話すと長くなる内容なので、梅雨について今度改めて記事にしたいと思います!

 

(c)チベット高気圧について

チベット高気圧は対流圏上層のみで見られる高気圧です。チベット高原は、平均標高が4500mでこれは対流圏の中層の高度に相当します。夏季に、チベット高原が日射により熱せられると、直接対流圏中層が温められるため、大気が膨張し、上空の気圧が高くなります。これが日本付近まで張り出してくるとき、太平洋高気圧と重なり合って、猛暑の原因となります。

チベット高気圧は高度15kmあたりに顕著に見られ、100hPa、200hPaの高層天気図で確認することができます。

➡︎○

 

H30年の西日本豪雨に関する資料を読み込んでみようと思います。

一般の出題からもそうですが、やはり豪雨とか猛暑といった災害に繋がるようなことに関してしっかり勉強しましょう!というメッセージを感じます。

気象庁|報道発表資料

 

問8 雷ナウキャスト

 

こちらも気象庁のホームページで勉強していきます!

気象庁|雷ナウキャストとは

 

(a)雷ナウキャストの分解能です。これは覚えます。

<格子間隔1km10分ごとに解析し、10分ごとに1時間先まで予測する>

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気象庁ホームページより

 

雷ナウキャストは雷注意報において「雷に関する注意や予報を補完」する目的で、すでに発生している雷の活動の激しさ雷の可能性を予測します。

 

➡︎(a)は正しいです。

 

(b)雷の解析

雷の解析は、

①雷検知により活動の激しさを予測

②雷雲の解析

によってなされています。

 

①雷監視システム(LIDEN)により、雷から出ている電波を検知します。

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気象庁ホームページより

 

②気象レーダーによって雨雲の特徴を捉え、統計的に過去のデータと照らし合わせて、落雷の可能性を探ります。

 

➡︎(b)は正しいです。

 

(c)活動度の評価

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問題文の通り、雷ナウキャストでは、雷の激しさや雷の可能性を4段階で評価し、活動度1は”現在は雷は発生していないが、今後落雷の可能性がある”ことを示しています。

 

(d)雷の予測

問題文の通りです。また、雷雲の移動予測や減衰傾向の予測では、予測時刻の途中で新たに発生した雷雲については予測できない、という点に注意しましょう、とのことです。雷雲に関しては刻々と変化するものなので、最新の情報を利用していきましょう!

 

 

せっかくなので、続けて雷の問題をやっていきます。

 

問10 雷について

(a)これは問8でも話題にしていたLIDENですね。

雷はどういったときに発生するでしょうか?

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背の高い積乱雲が上昇気流を伴うとき、あられや雹ができます。

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対流活動が激しくなってこれらの落下速度が異なるときに、あられや雹が擦れたり衝突したりして電荷の分離が起こります。あるところまで電荷がたまると、放電します。
これがシンプルな雷の考え方です。

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雷監視システムでは、雷放電からの電波を受信し、雷の位置や発生時刻などを監視しています。

➡︎○

 

(b)年間で雷を観測した日が多いのはどこか?

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気象庁ホームページより

こちらも気象庁のホームページに載っています。

気象庁|雷の観測と統計

 

積乱雲の雲頂温度が−20℃以下になると(過冷却水があられに凍結しやすくなるので)発雷の可能性が急に高くなることがわかっています。

それを考えると、この問題は正解できると思います。

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日本では、冬季に日本海側の地方で雷の発生頻度が高くなります。

問9に出てくる降雪と関連しています。

冬になると、大陸の地表が放射冷却により冷やされ続け、密度が大きくなることにより高気圧になります。(シベリア気団

この冷たく乾燥した空気が相対的に暖かく湿っている日本海を通って日本海側の地域にやってくるとき、性質の違う気団がぶつかることによる気団変質を起こします。こうして日本海からたっぷりと水蒸気と熱を得た空気が対流性の雲として発達します。冬の積乱雲は雲頂高度は低くても、気温が低いので夏より高度が低くても発雷します。

日本海沿岸では夏だけでなく、冬も発雷するということで、一年を通じての発雷数が多くなっています。

➡︎(b)は× 内陸部ではありません。

 

(c)1日の中で雷の検知のピークはどの時間帯か?

これは初耳でしたが、問10は(a)と(b)が分かれば組み合わせ的に正解できたのでスルーしていました。

とはいえ、気象庁のホームページにはちゃんと載っていました!

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気象庁ホームページより

気象庁|雷検知数の季節的特徴

 

夏の雷と冬の雷について、その仕組みから考えると正解できます。

夏季、冬季”ともに”というところが×です。

冬の雷は地表で空気が暖められて発達する積乱雲が原因ではないので、ピークは特にないのですね!

 

(d)冬の日本海沿岸で多く発生する雷

これは難しいですね。

気象庁のホームページを見ても、直接的にこの問題に対する答えが載っているわけではないみたいです。

気象庁|放電密度と落雷害の関係

⬆︎ここを見ると、

冬季は、日最大対地放電密度は夏季よりも小さくなりますが、同じ値における災害発生率は高いことがわかります”

とあります。

この文章から1回の放電でより多く電荷を中和するのは冬であることが読み取れるか(推測できる)と思います。

 

 

問9 山雪型と里雪型 

冬型の気圧配置については、新潟地方気象台のホームページにとてもわかりやすく書かれています。

新潟地方気象台

冬型の気圧配置は大きく2つに分けると、山雪型と里雪型があります。

 

<山雪型>

西高東低、日本付近で等圧線が南北に走り、間隔が狭いときです。

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新潟地方気象台ホームページより

 

日本列島にシベリア大陸からの強い季節風が吹くと、どうなるか?

 

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新潟地方気象台ホームページより

 

①大陸からの強い季節風が相対的に暖かい日本海の海面から水蒸気と熱が供給され気団変質

日本海上で大気不安定➡︎雪雲発生

③強い季節風で山を強制上昇

➡︎雪雲がさらに発達、山地で多雪!

 

<里雪型>

日本海に小低気圧や気圧の谷があるとき(日本海側で等圧線が西にぐにゃっと曲がっている)

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新潟地方気象台ホームページより

 

日本海や日本列島の上空に強い寒気があると、どうなるか?

 

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 ▲新潟地方気象台ホームページより

 

①大陸からの冷たく乾いた気団が日本海上で気団変質

②強い寒気のもと寒気海岸平野部で雪雲の発達がすでに最盛期 

季節風弱く、山地を強制上昇できず

➡︎海岸沿いで雪!(人が多く住んでおり、注意が必要)

 

では、問題を見てみます。

問題は山雪型の図を選びましょう、というものでした。

 

 

▼問題のキャプチャ

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地上天気図はAが里雪型、Bが山雪型ですね。

 

次に気象衛星可視画像を見てみると、AよりBの方が離岸距離が短く、Bの方が上空に強い寒気があったことがわかります。

また、Bは地上天気図での高気圧に対応する暗域や低気圧性循環もみられます。

Aは筋状の雲が北西の風に流されている様子が確認できます。

以上のことから、Aが山雪型、Bが里雪型であるとわかります。

 

最後に500hPa解析図を見てみます。

これは渦度の図ですね。

気圧の谷が日本海側にあるAが里雪型です。

 

▼色々と書き込んでみました。

この辺に寒気があるはず…

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書き込みにちょっと慣れていないのですが、強風軸を引いてみたりとか、日本を塗ってみたりとか…ちょっとずつやっていって、自分の良いスタイルを見つけたいと思います!

 

こんな感じでも選択問題ならなんとか正解できるでしょう〜

 

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今回も5問を振り返るのに、長くなってしまいました。

専門でも天気図とか衛星写真とか見て色々考えるのは楽しいですね。

そろそろ実技の勉強も始めないとまた準備が間に合わなくなるので、まずは専門での実技っぽい問題をたくさんこなしていきたいと思います!

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第51回気象予報士試験 学科専門分野 復習①

第51回気象予報士試験の結果が届きました!

専門惜しかったです。

 

気をとりなおして、今回から専門分野を復習していきます。

 

問題はこちらから↓

 

www.jmbsc.or.jp

 

 

問1 観測機器の設置について

問題文にも、気象庁の気象観測ガイドブックに述べられている…と書いてあるくらいなので、受験生はこれを見よ!ということなんでしょうね。

私は印刷してバインダーに入れていましたが、読み込んでいなくて間違えてしまいました^^;

ガイドブックはこちら↓ 気象庁のホームページにあります。

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/guidebook.pdf

 

また、気象台のホームページでも詳しく書かれています。

 

www.jma-net.go.jp

 

(a)温度計について

温度計が収容されている通風筒は、風通しの良い日陰に設置することとされている。

➡︎これは×です。

 

アメダスの観測環境についてはガイドブックの8ページに記載してあります。

日陰というところが×ですね。風通しが良く日当たりの良い場所に設置します。

 

(b)雨量計を高い建物の屋上に設置する場合

ガイドブックの15ページに記載があります。

高い建物の屋上では摩擦力が弱くて風が強く吹いていますので、やむを得ず雨量計を高い建物の屋上に設置する場合、出来るだけ内側に、端から1m以上、できれば3m以上離して設置します。

 

(c)積雪計の測定面

積雪計に関しては45ページから説明されています。

測定面は凸凹であってはならず水平を確保する必要がありますが、コンクリートや鉄板などを敷いてはならないと記載されていますので、(c)も誤です。

測定面は芝生など自然な状態にする必要があります。

 

問2 気象レーダーに関して

”下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを選べ”という問題は、下線部以外の記述は正しいのでそれをヒントにすることができます。

 

(a)前半の文章で、雨滴の体積が1/2倍になると雨滴から散乱される電波の強さは1/4倍になる、というヒントが与えられていますので、何も勉強していなくてもこれは正しい文章だとわかるでしょう。

 

霧雨のように散乱する降水粒子の直径がレーダーの波長(3cm〜10cm)に対して十分小さい場合、レイリー散乱します。

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このように、一般的な気象レーダーでは同じ降水量でも降水粒子の大きさの違いによって受信強度が変わってしまいます。(降水粒子が大きい方が強く散乱されてしまう)

粒子の小さい霧雨は、降っていてもレーダーでエコーが観測されないことがあります。

 

(b)(d)  X-MPレーダーについて

このような制約を解消するのが、より波長の短いXバンドの波長の電波を使用した気象レーダーです。

電波(電磁波)というのはそもそも直交する電場と磁場の2つの成分からなる波のことです。

通常の気象レーダーでは水平偏波のみを利用しているのですが、X-MPレーダーでは垂直偏波も利用することで、降水粒子の形状を知ることができます。

 

↓参考になります。

mp-radar.bosai.go.jp

 

(c)ドップラーレーダーで竜巻を検出できるか

ドップラーレーダーというのは、ドップラー効果を利用して風の観測をするものですが、これを連続して使うことによりメソサイクロンの検出をすることができます。しかし、竜巻を直接検出することはできないので、cは誤です。

 

問3 数値予報における客観解析について

数値予報についてはちょっと忘れてきたし、勉強が足りていないのでまた今度ブログでまとめようと思います。

 

今回は簡単な数値予報のイメージを作ってみました。

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〜数値予報の基本的な考え方〜 

アメダスや気象レーダーでは、気温や気圧など気象要素を観測していますが、観測点は空間的にも時間的にもまだらで、例えば海上では観測点が少なかったりします。

気塊の運動を考えるとき、気塊をラベリングして質点のようにみなして追っていく方法(ラグランジュ的方法)は、気団の移動を考える際には有用ですが、多くの気塊を常に識別して調べることはとても大変です。

そこで、各空間の固定点での物理変数の偏微分的時間変化を計算していく方法(オイラー的方法)が流体を考える上で実用的だと考えられます。

このような考えから、まずは規則的に配列された格子を作り、観測データに基づいて、ノイズをキャンセルしたり重み付けをして、各格子に固定のデータ(初期値)を作ります。物理法則にこの初期値を入れて時間積分すると各格子の予報値が求められるので、それを使って天気予報をしよう!というのがざっくりとした数値予報の考えです。

(あんまり自信ないので、もうちょっと勉強してから今度記事にしますね!)

 

(a)解析値の決め方

観測データから格子点上の値を数理的な計算によって算出することを客観解析といいます。第一推定値とは、前の初期時刻の予報結果のことで、これと観測値の双方に重みをつけて内挿し、解析値を求めます。

修正の重みは、観測データのもつ誤差と第一推定値のもつ誤差の大きさなどを考慮し、初期値は誤差の小さい方に寄るような値にセットされます。

➡︎(a)は○です。

 

(b)データ同化について

問題文は「3次元変分法は」という書き出しで、それ以降で4次元変分法について記述していますから(b)は×です。

・4次元変分法

解析時刻における観測データだけではなく、過去の観測データも使って、数値予報モデルで繰り返し時間積分し修正していくことで、最適な解析値を得ようとする方法です。

精度の高い解析値を得ることができるので、全球解析(GSM)やメソ解析(MSM)で使用されています。

問題文の通り、計算量が膨大になるという欠点があるため、速報性が問われる局地解析(LFM)ではこれが使われず、3次元変分法が使われています。

・3次元変分法

時間変化を考慮せずに、様々な観測が解析時刻に得られたと仮定して解析します。

数値予報モデルを実行しないため計算量が少なく、より迅速な処理の求められる局地解析(LFM)や毎時大気解析で活躍しています。

 

(c)GPS衛星を利用して可降水量を算出し、数値予報の客観解析で利用されている

これはわかりませんでした。

調べてみたら、気象庁からの発表資料がありました↓

https://www.data.jma.go.jp/add/suishin/jyouhou/pdf/304.pdf

2009年から国土地理院GPS衛星から得られる水蒸気の情報をメソ数値予報モデルの初期値解析に利用することになったそうです。

これにより降水予報の精度が上がったということです。

 

問4 数値予報モデルの物理過程について

(b)格子間隔と表現可能な現象のスケール

数値予報モデルは、格子間隔の5〜8倍のスケールの現象が表現可能です。

MSMの格子間隔は5kmでスケール25km〜の現象を表現可能です。

個々の積雲の振る舞いを十分表現することはできないので(b)は誤です。

また、LFMでも個々の積乱雲が表現できるほどではありません。

 

数値予報では、基礎方程式で記述されるような格子スケール以上の力学的な大気の変化を「力学過程」と呼び、それ以外の、格子点値が時間積分されたあとに取り込まれるような外力や相変化に伴う加湿効果、摩擦力などを「物理過程」と呼んでいます。

格子スケールより小さい(サブグリッドスケール)現象の格子スケールに及ぼす平均的な効果を格子点値から評価し、格子スケールに取り込んでいくことをパラメタリゼーションといいます。

 

(a)常識的に×

大気中における降雪の融解や降水の蒸発の効果は予報結果への影響が”大きい”ですし、このような効果は数値予報モデルに取り込まれます。

 

(c)これも常識的に考えて○

積雪の有無は地上気温に大きな影響を与えます。さらに、その積雪が新雪か古雪かということで断熱効果も変わってきます。地表面の状態は数値予報に取り込むべき大事な要素です。

 

(d)大気境界過程

地表面付近では乱流が卓越しており、運動量や顕熱、水蒸気が鉛直輸送されていて、地表面の影響を大気層に伝えています。

乱流による輸送の効果は、定常的ではなくて日変化は大きいので(d)は×です。

格子スケールよりはるかに小さい現象であり、パラメタリゼーションで数値予報モデルに取り込まれています。

 

問5 気温ガイダンスによって数値予報の誤差軽減が期待される具体例

ガイダンスは、数値予報の応用プロダクトの1つです。数値予報の結果から誤差を除去したり、天気予報に翻訳したりしたものです。

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気象庁のガイダンス資料より

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/nwpreport/64/chapter1.pdf

 

これによると、

”ガイダンスは数値予報データと予測対象である実況の観測データを用い、統計手法によって予測式を作る。 ”

 とあります。

 

ガイダンスでは数値予報の結果から誤差を修正することができますが、修正できる誤差は偏った傾向をもつ誤差(系統的誤差)です。

例えば、地形や陸海の境界が数値予報モデルで用いられているモデルと実際のものとで違っていることによる誤差は系統的誤差として統計的に扱うことができ、軽減することができます。

一方で、数値予報そのもので予報ができていないために生じる誤差(前線や低気圧の発生・発達・移動など)はガイダンスにとってはランダムに生じる誤差であり、基本的には修正することができません。

 

以上の基本的な考えを踏まえて、問題を見てみると・・・

 

(a)これは系統的な誤差で修正可能

(b)これも系統的な誤差で修正可能

(c)数値予報モデルが予報できなかったことによって生じる誤差なので、ランダム誤差で修正不可能

 

といったように簡単に正解にたどり着けます。

 

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専門分野は今までブログで全然扱っていっていなかったこともあり、

長くなりがちなので復習を3回に分けたいと思います。

最近は機械学習がブームがですが、気象の専門分野を勉強してみると、その基礎となる部分がちょっとわかります。

例えば線形代数とかフーリエ変換とか…理系の人しか興味がなかったようなトピックに、最近は文系の人も注目しているような、ちょっと世の中で身近なものとして扱われてきたような雰囲気を感じます。

そんな雰囲気も手伝って、私も特に気象の専門分野では、理系的なところを学び直していきたいと思っています!

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