気象ゼミごっこ

気象予報士試験に向けて、大学のゼミみたいに勉強するブログ

大気の放射①光と物質

最近は空を撮るのにハマっています。

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この写真、太陽の周りの雲が虹色になっているのおわかりいただけますか?

あからさまじゃないのでわかりにくいですが、このような雲を彩雲と言います。

彩雲 - Wikipedia

以前もご紹介した通り、太陽の光はこのように↓可視光の波長をカバーしています。

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私たちが色々なものの色を認識するとき、例えばりんごを見るとき、白色光(太陽光)がりんごに入射し、白色光のうち赤色に相当する波長の光が反射されて私たちはりんごが赤いと認識するんですね。

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meteorolo.hatenablog.com


 

彩雲というのは、雲の中の水滴に入射したが太陽光を回折して、雲が彩られて見える現象です。

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こんな感じです。

このように、私たちは太陽からの放射に左右されて生きています。

前回までは降水過程のお話をまとめていましたが、今回からは太陽放射がどのように気象に関わっているのかを勉強をしていきたいと思います。

 

せっかく彩雲の話をしたので、まず目に見える太陽の光の話をしたいと思います。

光は粒子であり、波でもあるのですが( 粒子と波動の二重性 - Wikipedia  )

光を物質に当てると、どうなるか?ということをちょっと紹介します。

といっても散乱とか結構難しいんですよね。電磁気(マクスウェル方程式)を理解しなくちゃいけなくて…そして結局、量子力学という難しい世界に足を踏み入れてしまうことになる…

なのでここでは深入りせずに、もやっとしたままですが気象予報士試験の勉強に必要な程度でまとめて生きます。

 

まず、光が物質に当たったとき、原子レベルでどんなことが起こっているのかちょっとだけ説明したいと思います。

 

原子のエネルギーはとびとびの値をとります。(定常状態)

原子の中の電子はそれぞれに応じた半径の軌道を持っていて、原子からの光の出入りは電子のその軌道の移動によります。(エネルギー状態の高いところから低いところへ移動するとき光を放出し、エネルギー状態の低いところから高いところへ移動するとき光を吸収する)

物質によって、光に当てられたときの波長の長さが違うというのは、炎色反応でよくわかります。(リアカーなきケー村 Li赤Na黄K紫)

熱せられることによって物質の持つエネルギーが基底状態(一番低い状態)になって、その差が放出されたものを私たちは見ているんですね。

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さてちょっと難しい話になりましたが、ここからは具体的に空が青く見える理由や夕焼けや虹など具体的に話して行きたいと思います。

太陽の光(電磁波)が、原子や分子やその他空気中に浮遊するエーロゾルにぶつかると、粒子を中心として二次的な電磁波が生じ、周囲に広がります。このことを散乱といいます。

空が青く見えたり、雲が白く見えるのは光が散乱しているからなんです。

散乱の仕方は、入射波の波長と物質の大きさの関係によって違います。

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レイリー散乱

空が青く見えるのは、太陽光を大気が散乱しているからです。(もし大気がなかったら、太陽の方向だけが明るく見えて他は真っ暗になる)

レイリー散乱では、電磁波の波長が短いほど(つまり入射波の放射エネルギーが高いほど)散乱強度が強くなります。可視光の中で一番波長の短いのは紫じゃん!と思いますが、紫は私の目に届く前に散乱されすぎて弱くなっており、空は青色に見えます。

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夕焼けが赤く見えるのも、レイリー散乱で説明できます。

空が紫色に見えないのと同じような理屈です。夕方には太陽光が大気中を長く入射するため、地表に届く前に紫色や青色のような波長の短い光は散乱されてしまっていているから、赤く見えるんですね(ちょっと乱暴な説明だなあ…苦笑)

 

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レイリー散乱の特徴は、もう1つあります。

それは、散乱光が入射光と同じ方向で強く、直交する方向で弱くなるということです。

このように、電磁波がある特定の方向に振動することを偏光と言います。

私たちの生活の中で太陽の散乱光の偏光特性を実感できるものとして、カメラの偏光フィルターがあります。偏光フィルターは特定の方向に振動する光のみを通すので、その方向を青色の光が偏光する方向と合わせると、空をより青く撮ることができます。

(この辺は理解が浅く、自信ないです…。電磁波とは何か?ということからちゃんとしっかり勉強すると、放射マスターになれるでしょう!)

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②ミー散乱

雲が白く見えるのは、ミー散乱のおかげです。

雲は大気中に浮かぶ水滴や氷晶の集まりですから、原子や分子よりもずいぶん大きいですよね。

そのため、散乱の仕方はレイリー散乱とは異なります。

ミー散乱の強度は、電磁波の波長にあまり依存しません。

太陽光に含まれるあらゆる波長の可視光線を散乱するので雲は白く見えます。

 

③幾何光学的な電磁波の進行

雨粒や氷晶は雲粒よりもさらに大きいです。これらに太陽光が入射したとき、可視光線は幾何光学的な屈折や反射を行います。

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おそらく試験の問題を解くのはこの分野ってそんなに難しくないみたいなのですが、ちゃんと理解しようとすると沼にはまってしまいますね。私の知識は穴だらけです。

次回は太陽放射がどんな風に私たちの地球を温めているかということを中心にやっていきたいと思います🌞