気象ゼミごっこ

気象予報士試験に向けて、大学のゼミみたいに勉強するブログ

太陽系のお話

こんばんは。

今回から気象予報士試験 一般分野の学習をまとめていきたいと思います。

私の使っている過去問の精選問題集を解説していくブログにしようかと思ったのですが、問題のスクショをそのまま貼り付けてしまうわけにはいかないということに気づきましたので、とりあえず問題を解きながら学んだことや大事だと思ったことをまとめていきたいと思います。

 

まずは「大気の構造」からです。

■太陽系について(いきなりビッグスケール!)

▼太陽とは

太陽は、基本的には水素ガスやヘリウムガスを主とする巨大なガスの塊です。

宇宙には星間ガス(寿命を終えた星が爆発してばらまかれた塵。主に水素ガスやヘリウムガス)が漂っています。星間ガスには重元素(炭素よりも重い)も含まれるため、密度にゆらぎが有ります。

質量の大きい方に引きつけられ益々大きくなり、内部では自らの重力で収縮し、圧縮により温度が上昇します。(状態方程式:PV=MRTを思い浮かべる)温度が臨界点に達すると核融合が起きて、エネルギーを作りだしています。そのように自らエネルギーを作り放射しているので、恒星といいます。太陽はその外側の彩層から絶えず極めて高温で電離した粒子が四方に吹き出しています。これを太陽風といい、地球の大気形成に重要な影響を与えています。

 

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↑太陽の絵を描いてみました。色や大きさの比は適当です。

 

 

太陽の温度は大体6000Kくらいです。

 

この6000Kという温度はどうやって測ったのでしょうか。

昼は太陽の光で空が明るいですね。それは太陽からの電磁波の放射は可視光線を含んでいるからです。

太陽からの電磁波の分布は、大体こんな感じです。

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この曲線が極大となる(波長λで微分して0となる)のは、λ=0.5μmのところです。

0.5μmの電磁波は青色の光です。

太陽だけでなく、一般的によく放射する物体は入射してきた放射をよく吸収します。(キルヒホッフの法則

またプランクによれば、あらゆる物体はその物体の温度や性質によって、放射する電磁波のエネルギーが決まっています。

プランクは、黒体(入射された放射を全て吸収する物体)から放射されるエネルギーを理論的にこのように表しました。

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さらに、エネルギーが最大となる波長は、

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つまり、高温の物体ほど放射するエネルギーがピークとなる波長が短いということです。この法則はウィーンにより発見されました。

 

このようなことから、太陽の温度が6000Kというのがわかるのです。

つまり、恒星の温度は色でわかるんですね~。

 

おまけですが、自ら可視光を発していないもの(りんご)の色はこのように説明できます。

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↑イメージ重視。厳密な説明ではありません。

 

話が逸れましたが、太陽は巨大なガスの塊であり約6000Kという温度でエネルギーを放射し、輝いています。

太陽の内部で核融合が行われている間、原子太陽系星雲のなかのゆらぎによって原子惑星が生まれました。

それらは衝突や集積を繰り返し、8個の惑星(水星・金星・地球・火星・木星土星天王星海王星)ができました。

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※太陽系惑星のイメージはWikipediaより拝借しました。

 

▼「地球型惑星」と「木星型惑星

これら太陽系の惑星は「地球型惑星」と「木星型惑星」に分類されます。

地球のように太陽の近くを回っていて、主に鉄や岩石でできている惑星を「地球型惑星」、水素やヘリウムを主成分とする惑星を「木星型惑星」といいます。

 

太陽系天体の材料物質はざっくりと、ガス、揮発性物質、難揮発性物質に分けられます。揮発性物質とは、気体となりやすい物質のことで、炭素や窒素、酸素などの元素からできる物質です。難揮発性物質というのは、組み合わさって鉱物となるような物質のことで、元素でいうとケイ素や鉄など岩石を構成するものです。 

 

地球型惑星」の大気の組成は、

 

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 大体このようになっています。

 

このように、二酸化炭素や酸素などの揮発性物質が惑星の地表を気体として覆っているのは、揮発性物質と難揮発性物質の分離という過程があったからです。揮発性物質と難揮発性物質の分離は、①天体の衝突②火成活動により起こりました。まず①天体が衝突すると、超高温・超高圧状態になり、岩石など全てが瞬時に蒸発します。そしてやがて難揮発性物質は固体に、揮発性物質はそのままガスとして残ります。②火山活動でも、マグマが地表に上がってくるときに圧力が下がり、今まで高圧状態下で溶け合っていた難揮発性物質と揮発性物質は分離します。

 

大気組成の表を見ると、金星と火星では、共に大気組成の大部分を二酸化炭素が占めていることがわかります。

実は、地球にも炭素は多量にあるのですが、地球の大気形成の過程で海の中にサンゴや石灰岩として存在していたり、海の中にイオンとして溶けているので、火星や金星と比べて二酸化炭素の割合が小さくなっています。(大気中の二酸化炭素の約60倍が海に溶けている)

 

もう少し地球の大気形成について説明していきます。

 

▼地球の大気

まず、地球も木星のように始めは水素とヘリウムを主とする大気をまとっていたと考えられます。(一次大気)

しかし、その大気はある時期に強く吹いた太陽風によって飛ばされました。

その後、微惑星の衝突や火山爆発により固体地球からガスが脱出しました。(揮発性物質と難揮発性物質の分離)

火山の噴出ガスはそのほとんどが水蒸気なので、大量の水蒸気が放出され、大気は過飽和の状態になり、雲ができて雨が降り、海ができました。このときの海には、大気の微量成分であった塩素ガスや硫黄ガスが溶け込んでおり、酸性でした。そのため二酸化炭素が海に溶けず、今よりも大気中に二酸化炭素が多く含まれていました。

しかし、激しい降水とともに、陸上のカルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどが海に溶け込み、海が中和され、二酸化炭素が溶け込み、海洋中に石灰岩やサンゴが存在するようになりました。

ここで、金星と火星、地球の表面気圧を比べてみましょう。

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もし地球上の二酸化炭素が海中に固定されず空気中にあれば、金星の気圧よりも高くなります!

 

▼では、「木星型惑星」の大気組成は・・・?

 

地球くらいのサイズの天体では、重力が十分に強くなく周りにあるガスを取り込むことはできませんが、もっと太陽から遠ざかったところでは、材料物質が多いため原子惑星が集まってできる天体のサイズが非常に大きくなります。そのような天体は、周りにあるガスを引きつけてさらに大きくなります。そうしてできた天体が木星土星です。

木星型惑星」はそのように水素ガスやヘリウムガスを重力的に取り込み、大気としています。

 

 

 

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長くなったので、今回はこの辺までにします。

スケールの大きい話はまとめるのが大変ですね。

次回はもう少しさくっと、「大気の鉛直構造」について書いていきたいと思います。