大気の熱力学②静力学平衡
■前回のおさらい
前回は、「大気の熱力学①状態方程式」ということで、基本的な物理法則である、状態方程式に関して勉強しました。
①高校ではモル数を基準にした気体定数を用いて、PV=nRTと習った。
②気象の勉強では、それぞれの気体に対する気体定数が用いられ、その気体定数は質量を基準とした値になっている。
③ダルトンの法則により、混合気体に関しても状態方程式を立てることができる。
④混合気体を構成する気体定数と重量比が分かれば、混合気体の分子量や気体定数がわかる。
⑤気体定数は、1kgの気体を1kg上昇させるのに必要なエネルギー〔J〕を表す。
⑥水蒸気の気体定数と乾燥空気の気体定数を比較することにより、乾いた空気よりも湿った空気の方が、暖まりにくく冷めにくいということが分かった。
以上のようなことを勉強しました。
今回は、「静力学平衡」についてまとめていきたいと思います。
↓地球大気のお話で、すでに少し触れています。
大気は地球の引力に引きつけられているので、地表に近いところほど強い力を受けていて、空気の密度も気圧も大きくなります。
そのような高度による大気の状態の変化を、運動方程式(と状態方程式)を使って表します。
空気の運動方程式を球座標で表すと、鉛直方向はこのようになります。
地球が自転していることによってコリオリの力が働いていますが、無視しても問題ないくらい地球の引力に比べて小さく、大規模な大気の運動を考えるときにはこのように書けます。
静力学平衡が成り立っていると、気圧を高度だけで考えることができます。
状態方程式を代入することにより、気圧と温度について考えてみます。
気層の平均気温が高い程、層が厚いことを示しています。
地上天気図を作るときに、観測点が海面にない場合、測定した気圧に対してこのような関係を考慮した値に補正したものを使用します。(海面補正)
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今回は静力学平衡について勉強しました。
静力学平衡の式は、大きいスケールの現象を考えるときに使える方程式です。
もっと勉強が進んだら、このトピックは書き直したくなるような気がします。
どんどん加筆修正していきます!